背筋を伸ばして深呼吸

折角なので専門知識を活かしたい

わたしの自立

LGBTが最近、ニュースの話題にあがるようになった。
私はトランスジェンダーの 女の心を持ちながら男の体で生まれてきてしまった男の子だ。
思春期になったころには、体が男になっていくことに絶望した。
一番いやだったのは体育の授業で、筋肉が付くことで、
私は女の子から遠のいていくことに日々恐怖を感じていた。
絶望だけが私が男の体で生まれてきたことの意味だった。

転機が訪れたのは、高校2年生になったとき、
私は男子高校生として学校に通っていたが、同級生の男の子に恋をしてしまったのだ。
それは、彼が悪いのだと思う。冗談にせよ、かわいいと毎日言ってくれるのだから。
彼は私の体など気にも留めずに、私の心を見てくれていたのだと思う。
だから、私の女の部分に気づいてくれた数少ない男の子だった。

私は自分の体のことを打ち明けるか迷った。
仲良くなった。大切な友達になれた。そしてなにより私を知ってほしかったからだ。
意を決して私は、その男の子を呼び出したのだった。
結果は惨敗だった。「ごめん」と一言言ってもらえただけでも、彼の優しさが伝わってきて泣いてしまった。

その日は、悔しさと、惨めさと、どうしようもなさに悩まされたが、すぐにその絶望はなくなった。
彼が私を受け入れられない。そんなことは当然のことなのだ。私は普通ではないのだから。
ならば普通になればいい。私は女になる決心をした。
かわいくなって、彼にあのときはもったいないことをしたなと、思わせてやるんだと、
そう強く思った。

高校を卒業してからは、一人暮らしを始めた。
水商売でお金を得て、体の手術をするまで、時間はかからなかった。
今は女性として胸を張って生きている。
好きな人に振られたあの日の決心が、私を自立させてくれた。


#わたしの自立

バナー
Sponsored by CHINTAI